体を鍛えると脳もメキメキ若返る!?運動こそ最高の脳トレ！

2023年12月28日 | 健康のこと -Health-

運動をすることが脳にポジティブな影響を与えるということは、すでにご存知の方も多いことでしょう。さらに、最近の研究によると、その効果には即効で得られるものと、長期的に得られるものがあることが分かってきました。

まず、運動をすることによって即効で得られる効果が、脳のパフォーマンスアップと気分の高まりです。東北大学加齢医学研究所の研究では、中高年女性たちに1回30分間のサーキット運動（有酸素運動、筋肉トレーニングを30秒ごとに交互に実施するもの）を行ってもらったところ、認知機能テストのスコアが上がると同時に、ポジティブな気分も高まることが判明しました。
つまり、運動を30分間行うだけで、脳のパフォーマンスとやる気を一度にアップさせることができるということです。
例えば、大事な仕事を控えた日の朝、どうも頭がボーっとしていてやる気もイマイチ…というときは、息が軽く上がるくらいの運動を30分間行ってみる――すると、脳にターボがかかると同時に、やる気もグンと出てくることでしょう。

一方、長期的に得られるのが、認知症の予防効果です。人生100年時代の現代、最もなりたくない病気といわれるのが、認知症です。その認知症を予防することができるのが、軽い運動習慣であることが、脳科学のさまざまな研究で明らかになっています。
ウォーキングや軽めのランニング、水泳などの有酸素運動を習慣的に行うことは、脳内の「BDNF（脳由来神経栄養因子）」を増加させ、脳活動を健全に保ってくれるというわけです。実際に、運動と認知機能を調べた実験によると、有酸素運動によって脳内でBDNFが発現したタイミングで「頭の回転の速さ」「抑制力（感情の抑制）」「記憶力」の機能テストを行ったところ、運動前と比べて、すべてのテストの点数がアップするという結果が確認されました。
しかも、この実験では、たった3分間の有酸素運動でも認知機能を高める効果が表れたそうですから、20～30分の有酸素運動を習慣にすれば、さらなる高い効果も期待できるというものです。

さらに、運動後にひとケタの計算を全力で速く解くなどの脳トレを行うと、2重の効果でより脳のパフォーマンスが高まることも分かっています。つまり、「運動+脳トレ」の組み合わせは、最高の脳パフォーマンスアップの薬になるということですね。
ちなみに、脳トレをするタイミングは運動直後でなくても問題ありません。運動後の数時間のうちは脳内でBDNFは発現し続けているため、その間のやりやすい時間に脳トレや百マス計算や記憶ドリルなどに取り組むとよいでしょう。
通勤中に駅まで歩いた後、スマホアプリで脳トレゲームをしたり、朝のウォーキング後に百マス計算をしたりと、続けやすいタイミングを見つけてください。習慣化して、毎日続けることが大切です。

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

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