2023年04月01日 | 会社経営のこと -Business-
本稿では、神奈川大学 経営学部の3名と、地域密着でリフォーム業を営む「株式会社キタセツ(東京・大田区)」の北川拓社長との交流の様子をレポートにしてお伝えします。
1990年7月に設立した「株式会社キタセツ」は、お客さまの健康と住まいの安全を考えた住居特化型のリフォーム会社です。モットーは、「家族のような関わりあい」。リフォームの成功を左右するのは「お客さまとの信頼関係である」という考え方のもと、大田区や品川区のお客さまのより良い住まいづくりを支えています。
同時に、同じ職場で働く従業員に「キタセツで働いて良かったと思ってもらえるように」との社長の想いから、「健康経営」にも積極的に取り組んできた同社。中でも、7年以上続けている「キタセツランチ」は、「体が健康であることは大切。日々食べるもので体はできているのだから、食事を疎かにしてはいけない」と考え、始めたものだそうです。社長自らがランチを作って、みんなでそれを食べる、というユニークな取り組みは、社内外でも話題になっています。
(広々キッチンで、慣れた手つきで「キタセツランチ」の仕込みをする北川社長)
そうした取り組みも評価され、2020年からは4年連続で健康経営優良法人の認定を受け、2022年には「健康経営優良法人ブライト500」にも輝くほど。このような会社なら、大学生の職場訪問にもぴったりなはず、ということで訪問を打診したところ、快く迎え入れてくださいました。
いつもは社長と当番になった助手(キタセツ社員)で作る「キタセツランチ」。ですが、せっかくの訪問とのことで、この日は大学生3人もお手伝いすることになりました。
普段の食事は家族に作ってもらっていたり、ひとり暮らしのため手早く簡単に調理できるものでまかなっていたりと、本格的に料理をする機会がなかった3人は、大量の食材を前にタジタジな様子。この日の献立は、懐かしのナポリタンスパゲティと野菜たっぷりミネストローネ、毎日定番の彩りサラダの3品です。それぞれ自分が食べられる分だけお皿に盛る、ビュッフェスタイルで提供されます。
(大量の食材。買い出しは毎朝の社長の日課だとか)
(これをランチタイムまでに調理していきます)
(下ごしらえをお手伝いする大学生たち)
(野菜たっぷりのナポリタンスパゲティ作りはなかなか大変。何度かに分けて仕上げます)
(作りながら片付けるのも料理の基本。広々キッチンは、大人数の作業も楽々です)
(ビュッフェスタイルの「キタセツランチ」。彩りサラダは毎日の定番メニュー)
(取り分けながら、会話が生まれるのがこの場のいいところ)
(メインのナポリタンスパゲティはボウルに山盛りで提供されていました)
(社長は最後に取り分けて着席。すでに食べ終わった当番社員は洗い物を始めていました)
訪問した学生たちも「キタセツランチ」をご馳走になることに!味もさることながら、「一緒に作った」ということで、いっそうおいしく感じられるひと皿になりました。
(お待ちかねのランチタイム)
(緊張から解放され、おいしいひと皿にホッとした表情をうかべていました)
ランチの後はコーヒーを飲みながら、本日のメインイベントである「大学生が考えた、『健康経営』をより深めるための3つのご提案」です。
●メンタルヘルスの状態をAIで解析し、「花言葉」になぞらえて把握できるサービス
ひとつ目の提案は、「自分のメンタルヘルスの状態を知り、セルフマネジメントしていくためのAI活用」について。健康と聞くと、「適度な運動をして、栄養バランスの取れた食事を摂り、しっかりと睡眠時間を確保することが重要」と考えがちですが、メンタルヘルスにも意識を向け、体と心が良い状態でいることこそ大切だ、という問題意識からの提案です。
「人間同士でコミュニケーションができるのだから、AIを使わなくてもいいのでは?」という意見もあるかもしれませんが、むしろ、「人間同士だから言いづらいこともあるし、AIにだから素直に話せることもあるのではないか?」という着眼点は鋭い視点だと言えます。
AIにインプットした情報をもとに自分の心の状態を判別してもらい、それを「花言葉」になぞらえてフィードバックするという仕組みも、過度な押し付けがなく、客観的に自分の心の状態を知ることができるでしょう。さらに「では、どうしようか?」という次のアクションを促すような設計になっており、よく練られた内容になっていました。
●企業主導だけではなく、社員からも『健康経営』を推進するには?という考察
次に発表されたのは、「若者を中心に自己肯定感の低さが問題になっているが、その原因のひとつは、将来への不安があるからではないか?」という仮説をきっかけに、「健康診断の受診促進のように、今日の『健康経営』は会社が主導的に促している。けれど、自分たちの方から会社に働きかけていくのも重要なのではないか?」という考えに端を発する提案でした。
(真剣な表情で発表に耳を傾ける北川社長)
これらの発表に対し、北川社長は、「どちらも現代の問題を鋭く突いた内容。AIで自分のメンタルヘルスの状態を知ること、それを伝える方法として『花言葉』を用いるという発想は特に素晴らしい。精神的な問題で体調不良に陥る社員は多くの企業にとって無視できない問題になっている。ぜひ考えを突き詰めて、もしAI開発で協力できることがあれば声をかけてほしい」と、応えました。
また、「企業主導ではなく働くひと達の方からの発信で『健康経営』をより推進していこう、という考え方はとても大切だ。本当の意味で『健康経営』を実践しようとすると、一方的な働きかけではダメで、企業と社員がお互いに協力し合っていく必要がある。
さらに言うと、たとえば『健康診断に行きましょう』と一時的に取り組むのではなく、日々の積み重ねが欠かせないと強く実感している。働く一人ひとりが意識を向け、企業側もバックアップする、ということが『健康経営』を成功させる秘訣だと思っている」と、それぞれに感想を語ってくれました。
●社員食堂を基点にした問題解決の提案は「キタセツランチ」との共通点も!
3つ目の提案は、「食品ロスと社会人の欠食による栄養不足、コミュニケーション不足を解消する手段として、社員食堂の利用率向上や一企業だけでなく取り組みを地域に広げる挑戦」についての発表となりました。これは「キタセツランチ」の発想と極めて近い考え方だと言えます。
北川社長は、「実際に、社員食堂の取り組みによる効果は私たちが実証している通りだ。キタセツでは、部署ごとに階が分かれているが、違う部署のひと達と顔を合わせて話しをしたことがない、という状態にはなっていない。それはランチの時に食事を通して仕事以外のことでも何でも話すきっかけができているからだと思う。
コロナ前は、社員全員がキッチンフロアに集まって食事を摂っていたが、TVの話や趣味の話、日々の暮らしの話など、和気あいあいとおしゃべりしていたし、今でもビュッフェで好きなものをお皿に取りながら、並んでいる社員同士が気軽にコミュニケーションをしている」と、社員食堂の活用が及ぼす好影響についての考えを述べました。
また、「キタセツの場合、社長が部屋にこもって難しい顔をしているのではなく、毎日11時からランチ時はキッチンにいるというのが知られているので、その時間を目掛けて相談に来たり、何となく話をしにきたりする社員も多い。さらに、ランチ作りや後片付け等を通して社員がみんな実際にキッチンを使うことによって、キッチン周りのリフォームを希望するお客さまとの会話もしやすくなり、使い勝手をアドバイスすることもできるようになるなど、仕事にもいい影響が生まれている。キタセツでもそういった好循環が生まれているのだから、他の会社でも社員食堂は栄養バランスの良い食事が摂れる、ということ以上の効果がきっと期待できるはずだ」と、実体験をもとに語ってくださいました。
発表の後は、「せっかくの機会なので」と、経営学部で「健康経営」を学ぶ学生として特に気になっている質問や疑問が投げかけられました。そのひとつが、「ランチでのコミュニケーションなど『健康経営』に取り組むことが企業の業績につながるか?」ということです。
これについて、
「私たちのお客さまは、ほとんどが戸建て住宅や分譲マンションに住むひと。大切な住まいをより良くしたいと考えた時、信頼できる業者に任せたい、と思うのは自然なことだ。そうした時、応対する社員たちが楽しそうにイキイキと仕事をしていないとなれば、『この会社に任せても大丈夫か?』と、不安になってしまうのは当然だと思う。
幸い、キタセツの社員たちはいつも仲良く和気あいあいと仕事をしている、というのが伝わっているようで、多くのお客さまにお任せいただいている。会社のことを話す中で、『健康経営』の話題が出たりもするし、中でも『キタセツランチ』の話は特に盛り上がるらしく、お客さまもおもしろがってくれる。そうしたことを通して会社の雰囲気を知り、『これなら自分の住まいを安心して任せられる』と感じてくださっているようだ。
さらに、リフォーム後のお客さまに対しアフターフォローもしているが、男性向けの料理教室で『たまにキッチンに立つなら、使ったあとの片付けは絶対に忘れるべからず。特に毎日はできない包丁研ぎをやっておくと、喜ばれる』といったことを伝えることで、それぞれのご家庭の円満にも少しは貢献できていると思っている。そうした取り組みが新たな口コミになって広がり、仕事を紹介していただくきっかけにもなっている」と、北川社長。
自社のモットーや考え方、経験を織り交ぜて、「健康経営」に取り組むことで業績が良くなる“好循環”のしくみを紐解いてくれました。
また、「就職活動を前に、社会人はみんな忙しくて余裕がなく、冷たい態度のひとが多いという先入観があって不安だった。今日、ここで体験したことや社員のみなさんから感じた雰囲気にホッと安心した」という大学生に対して、北川社長は次のようにキタセツの採用のステップを紹介してくれました。
「キタセツでは、採用試験を受ける前に必ずランチに来てもらい、一緒に食べて、その後に希望部署の働きぶりを見てもらう機会を作っている。それを踏まえて、『ここで働きたい』と思ったなら採用面接に来てほしい、というわけだ。
先日も社員のひとりが、『後輩がキタセツに興味を持っている』と言ってくれたので、ランチに招き、職場体験をしてもらった。きっとそのひとはうちの社員から職場の話を聞いて、『働きたい』と興味を持ってくれたのだと思う。
そうやって自分の仕事を誰かにポジティブに話せることは誰にとっても誇らしいことだし、居場所があると言えることや自分の働きぶりを誰かに認めてもらえると知っていることは、誰にとっても大切だ。それが仕事をするモチベーションにつながると思う」と北川社長。実際に、既存の社員から紹介されて面接に来るひとは多く、今春も4名の採用が決まっているとのこと。
キタセツの採用ステップは、企業と働くひととのミスマッチを防ぐ一助にもなっているはず。採用面でも、キタセツの「健康経営」の取り組みは確かな好循環を生んでいると想像できます。
およそ3時間にわたるキタセツへの訪問を通じ、大学生たちはそれぞれ、次のような感想を寄せてくれました。
「先日、ある本の中に『身近なひとから大切に』という一節があったが、今回の訪問を通じて、それがどういうことなのか、本質的に理解できたと感じている。今日の体験はこれからの大学生活で『健康経営』の学びを深めていく上で大切にしたいし、後輩を含めて周囲のみんなに伝えたい。また、自分の就活時の会社選びの基準にしたい」(渡邊)
「訪問が決まり、アクサ生命が公開しているVoice Reportなどを通じてキタセツについて事前に知り、『素敵な会社だ』と思っていたし、ランチも含めてとても楽しみにしていた。実際に訪れてみて、社員のみなさんの雰囲気を肌で感じ、改めて『社員同士の仲が良い、素敵な会社だ』と思った」(鈴木)
「ここに来るまで、とても緊張していたし、不安もあった。けれど、そんなふうに思う必要なんてまったく無かったと思えたことは、就活を前に、私にとって本当にプラスのことだ。あたたかく迎えてくれた社長には少し失礼かもしれないが、『会社社長なのにまるでお父さんのようだ』と感じたほど。こういう会社があると知ることができ、とても嬉しい」(小島)
最後に北川社長は、「どんな経験もムダにはならないし、きっと役に立つはず。いろいろと経験してみてほしい。どんな仕事でも世の中の誰かの役に立っているもので、自分の立場でどれだけ全力を尽くせるか、ということが大切だ。その働きぶりは誰かが必ず見ているし、きっとあなたの評価につながっていく」と、これから社会に羽ばたく3人に力強いエールを送ってくれました。
【編集後記】
ランチができるまでの過程から、改めて「これを7年以上も続けるのは並大抵ではないな」と、その大変さを垣間見ました。下ごしらえが済み、コンロに火を着けながら「何事も準備が大事。ここからはあっという間だよ」とおっしゃる社長の言葉から、「段取り八分、仕事二分」という格言が思い浮かんだものです。
レシピサイトからプリントアウトされたレシピ集の束の厚みを目にし、この積み重ねがキタセツのみなさんの健康になっているのだな、と感じ入りました。
アクサ生命が提唱する『健康経営アクサ式』は、通常の健康経営の範囲である健康管理・健康増進や心の健康だけではなく、夢や生きがいがあり、自分の居場所を感じられる「社会的な健康」まで含めた「人の健康」、あるいは「企業の健康」といった「トータルな健康」を実現することを目指し、従業員が幸せに活き活きと働くことができ、企業の永続的な発展につなげる取り組みです。アクサ生命では、この取り組みを応援し、成功に向けたお手伝いを続けてきました。
「興味はあるけれど具体的にどう取り組めばいいかわからない」「自分たちで取り組んでみたものの、行き詰まっている」といったみなさまも、ぜひお気軽にご相談ください!
「健康経営」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です。
【関連リンク】
・健康経営アクサ式 - みんなと会社の未来を健康に。 | アクサ生命保険株式会社 (axa.co.jp)
・「健康経営アクサ式」に関するよくある質問はこちらから
AXA-A2-2303-2181/C0T
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アクサ生命の商品・サービスについてはこちらの公式サイトからご覧ください。
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