はじめての融資、どこに相談する?どんな準備をする?~創業から成長・拡大期に向かう小規模事業者におくるお金の話~

#仕事 #お金 #ライフスタイル #税金

はじめての融資、どこに相談する?どんな準備をする?~創業から成長・拡大期に向かう小規模事業者におくるお金の話~

自分で事業を起こしたり、事業内容の転換や拡大等を計画したりする小規模事業者にとって、「事業投資に回せる資金が心許ないので思うように計画を実行に移せない」との悩みは往々にしてあるもの。そうした場面で思い浮かぶのが、金融機関から融資を受ける、という選択肢です。

本稿では、以前紹介した、「フリーランスから法人化、メリットとデメリットを上手くマネジメントする方法とは?」に続き、小規模事業者や創業を予定しているひと達が一般融資を受ける際に押さえておきたいポイントや、融資を受けるまでの流れについて取り上げます。

小規模事業者が融資を検討するきっかけとは?

本題の前に、「小規模事業者が融資を検討するきっかけ」を見てみましょう。

  • 製造会社としての価値を上げるべく、新しい機器を導入するため(設備投資)
  • 小売業を営んでおり、店舗を増やしたいため
  • 公式サイトに予約受付やeコマースといった機能を拡充するため
  • 接客業を営んでおり、オフィス・店舗を整備したいため
  • 仕入れをして加工したものを販売しているが、売掛金の回収より前に仕入れにかかる支払いが発生するため、当座の運転資金を確保するため
  • 会社の設立を予定しているが、どうしても資金が足りないため

上記はあくまで一例ですが、おもには、事業の運転資金を確保するため、あるいは、創業のための資金を確保するため、といった事柄が多いとされています。しかし、業種によってさまざまな理由が挙げられ、他業種から見ると「そのような内容でも融資を受けられる可能性があるのか!」と気付かされるものもあり得ます。そのため、後述する専門機関等にまずは相談してみる、というスタンスで「融資」に向き合ってみるのは一考に値するでしょう。

すぐには必要ないけれど、あえて融資を受けるという選択肢も

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上述のように、おもに運転資金や設備投資等のために融資を受けるという理由に加え、「会社の信用力を高めるため、あえて融資を受ける」というケースも考えられます。

実際のところ、一度も融資を受けたことがない企業の場合、どれだけ有名企業だったり将来性が見込まれるとしても、いざ融資を受けたい場面で即座に金融機関が対応してくれるかというと、そうとは限りません。審査にはそれなりの時間を要するもので、「融資が受けられたとしてももう手遅れだ」なんてことになってしまう事態も考えられます。

そうしたことを見込んで、平時のうちにあらかじめ金融機関から融資を受けておき、本当に必要な時に可能な限り早く融資を受けられる体制を構築しておく、というのは戦略的な経営判断のひとつと言えそうです。

さらに、会社にとっては、融資によって資金に余裕が生まれるだけでなく、金融機関とのつながりができるので、同じ金融機関と取引している他の企業とコラボレーションする機会も得られる場合があります。実際にそのようなつながりをサポートする金融機関も増えており、うまくいけば新たなビジネス拡大も見込めると想像できます。

はじめての融資。どこに相談に行けばいいの?

では、「融資に興味がある」「相談してみたい」となった場合、どこに相談に行けばいいのでしょうか?

これまでは、決算を手伝ってもらっている税理士等の専門家に相談する、というのが“最短ルート”とされてきましたが、決算も含めて自分で頑張っているという会社や創業直後でそうしたつながりがない、という会社もあるかもしれません。

そんな時、頼りになるのが「日本政策金融公庫」と「市区町村の融資課*」です。いずれも長年、創業準備中の有志や小規模事業者、中小企業の融資ニーズをサポートしてきた実績があるため、十分なアドバイスが得られると期待できます。

*市区町村の融資課は、名称が異なる場合があります。

融資元となる「地域に根ざした金融機関」は小規模事業者のパートナー

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日本政策金融公庫や市区町村の融資課、あるいは、税理士等の専門家の助言を受けて実際に融資を受けるとなった場合、どのようなフローになるのかも押さえておきましょう。

小規模事業者や創業準備中~創業当初の場合、パートナーとなる金融機関は、地域に根ざした信用組合や信用金庫、売上規模によっては地方銀行が考えられます。

こうした金融機関は地域経済活性化の担い手という側面もあるため、先に触れた通り、小規模事業者や創業準備中~創業当初の会社には心強い頼り先になり得ます。先述の通り、同じ金融機関と取引のある他の小規模事業者とのコラボレーションを仲介してくれるケースも多く、彼らにとってもそうして地域活性化を促すことで一緒に成長していける、というわけです。

ここで、いわゆる一般融資のなかにも2つのパターンがあることを紹介しておきましょう。

ひとつ目は、「プロパー融資」。これはおもに、経営状態や財務基盤が極めて優良で、売上規模も大きく、信用力も高い企業に対し、担保等ナシで金融機関が独自の判断のもと融資するというものです。該当するケースは大企業や条件に合うと判断された中小企業に限られると言えます。

もうひとつが、「信用保証協会の保証を付けた融資」です。信用保証協会とは、公的機関のひとつで、中小企業や小規模事業者が金融機関から一般融資を受ける場合、その債務の80%*を保証してくれる団体です。

*(参考:「信用保証制度を支えるしくみ(一般社団法人 全国信用保証協会連合会)」)

融資の受け手としては、返済にかかる金利のほか借入金額や借入期間などに応じた保証料を支払う必要はあるものの、融資のハードルが下がり、金融機関にとっても、「貸し倒れ(融資金額が返済されない)」のリスクを低減させながら融資を行うことができるという利点があります。そうしたこともあり、一般融資を受ける際にはほとんどの場合、信用保証協会を介することになる、と考えられます。

融資を受ける際に必要なものは?どのくらい借りられる?

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融資を受ける際には、当然ながら金融機関や信用保証協会の審査を受ける必要があります。では、その際にどのような書類が求められるのか、また、融資額の目安はどう考えればいいのか、見ていきましょう。

融資の相談をする際に必要なものは、「決算書」や「事業計画書」、「登記簿謄本」や「申告書」、「営業許可書」などです。この中でも特に「決算書」と「事業計画書」は重視されると言われます。

ただ、創業準備中~創業当初の場合は詳しい事業計画や収支計画が重視されますが、決算書は不要です。一方、創業から数年経った会社の場合は、過去の決算書が重視され、事業計画等は不要となる場合もあります。

他方、借り換えを行う場合は、経営行動計画書(自社の現状認識、財務分析)や具体的な資金使途に関する資料、計画終了時点の将来目標、収支計画や返済計画(黒字化目標含む)、金融機関による継続的な伴走支援といった込み入った内容の書類が要求されます。これらの資料はすぐに用意できるものではないので、事業を続ける中で「いつでも出せるように準備しておく」という意味で、心に留めておきたいところです。

運転資金の融資を受ける場合の融資額は、概ね月次売上の3ヶ月分が目安とされています。一方、資金需要の理由や返済能力の多寡、連帯保証人の有無や連帯保証人の信用力によってはこのような目安にとらわれない融資額を受けられる可能性もあり、具体的な金額は金融機関等とのコミュニケーションで決まっていく、と考えておくといいでしょう。

融資可否のポイントは?経営者の信用情報もチェックされる?

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次は、融資可否を分けるポイント、つまり融資の審査で重視される事柄についてです。

まず、業績のほかに決算書での注目点として挙げられるのが、「不適切な点はないか?」ということ。例えば、会社がその代表等経営陣に対して貸付を行っている、あるいは、別の会社に何年も貸付をしていて返済してもらっていない、といった事実は、「なぜなのか?」と詳しく尋ねられるポイントです。

次に注目されるのが、融資において連帯保証人となる会社代表(社長)の信用情報です。

中小企業や小規模事業者が融資を受ける際、多くの場合、その会社の代表は連帯保証人になるよう求められます。これは、融資の返済が滞った場合、代表者に会社の債務を肩代わりしてもらい「貸し倒れ」にならないようリスクヘッジする措置と言えます。

おもに「過去に借入の返済が滞ったことはないか?自己破産等をしていないか?」が確認されると言われており、具体的には、カードローンやスマートフォンの利用代金等の支払いについて一定程度の期間返済が滞っていたことがないか、JICCやCIC、全国銀行個人信用情報センターといった信用情報を取り扱う機関に照会するものだとされています。そのため、連帯保証人になるひとが書類等を用意する必要はありません。ただ、過去5年程度の間に未払い等がある場合、「信用情報にリスクがある」とみなされるため、注意が必要です。

また、この信用情報は概ね5年が経てば更新されるとされていますが、「全額返済したつもりが少し残っている」といった理由や極まれに事務作業上の問題で信用情報が更新されていない、といったこともあるようです。それぞれの機関では自身の信用情報を自身で照会できるようになっているので、少しでも懸念がある場合は事前に確かめておくのもいいでしょう。

なお、慣例的に「会社が融資を受ける際には代表者は連帯保証人になるもの」とされていますが、これを拒むことは不可能ではありません。さらに、2023年4月以降には「代表者が連帯保証人になること」について、何らかの変更が加わる可能性もあるとされています。今のところ、連帯保証人の制度自体がなくなる、という議論にまでは至っていませんが、注目したい事柄です。

また、書類による審査と並行して信用保証協会による代表者への面談の機会も通常はもうけられます*。これは、書類上の内容だけでなく総合的な要素を加味して審査をするためのもの。また、「本当に登記されている場所に会社が存在するか?」「審査している会社は本当に事業実態のあるものか(ペーパーカンパニーなどではないか)?」などを正しく調査・確認するためだとも言われています。

*感染症対策の観点から、電話でのやり取りで終わるケースもあります。

融資が決定したあとのことは?

上述のような審査を経て、信用保証協会から融資の可否結果が届くのは早くて2~3週間ほど。通常は1~2ヶ月程度とされています。スムーズな書類提出は早い審査結果につながる、と心得ておきましょう。審査に通ればはじめての融資が受けられる、という流れです。

上述の流れで融資が決定した後は、実務的には、実際に融資をしてくれる金融機関で必要に応じて口座を開設したり、返済方法についての相談を行います。

融資を受けた後に感じるお金や健康の不安は誰に相談すればいい?

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ここまで見てきた通り、融資を受ける流れ自体はそれほど複雑というわけではなく、適切なサポートを受けてしっかり準備すればチャレンジすることは難しくないものです。とはいえ、融資が決まるまでには、「お金を借りる」ということ自体に心理的なハードルを感じたり、「融資の審査が通るかどうか?」と不安な時を過ごしたりすることもあるでしょう。特に、はじめて融資を受ける経営者は心細さを感じるのも当然です。

また、融資を受けられたとしても、「完済するためにも、安定してビジネスを続けなくては」と頑張る気持ちが湧く一方で、「自分が連帯保証人になっているから、万が一の場合は自分が返済しなくては…。そのためにも働き続けることができるだけの健康を維持しなくては!」とプレッシャーを感じることもあるかもしれません。

さらに一歩踏み込んで、「老後資金についてはしっかり考えて準備してきたけれど、『連帯保証人として会社の債務を負うことになったら?』を考慮した方がいいかもしれない」と、ご自身のライフステージの変化を受けた資産形成の見直しニーズが高まったり、「連帯保証人の立場のまま万が一のことが起こったら、家族を悲しませるだけでなく、『負の遺産』として会社の債務を負わせることになってしまう。そうならないように、負債部分を帳消しにできるよう備えをしておきたいが、どうすればいいのだろう?」と、急にお金の悩みが生じることも考えられます。

このような「経営者ならではの不安」は、家族や従業員、友人などには相談しづらいかもしれません。そうした中で、アクサ生命のフィナンシャルプラン アドバイザー(FA)は、直接お目にかかってでも、お電話でも、最近はオンラインでの対面でも、お金の心配や健康のことはもちろん、ご自身の人生100年における夢や理想などについてのお話しをうかがいながら、最良の選択できるよう「ライフマネジメント®」を通じてサポートをしています。

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