2018年12月12日 | 会社経営のこと -Business-
総務省が2018年9月に発表した最新の人口統計によると、日本の総人口に占める70歳以上の割合が初めて2割を突破したそうです。「人生100年時代」の流れが加速しつつある日本の産業においても、労働人口の減少や高齢化が大きな課題となり、多くの労働者が勤める中小企業では事業継承を通じて今後の産業をいかに継続し、支えていくかが重要な課題となっています。
今回は、アクサ生命が発表した『社長さん白書2018』の調査結果のほか、さまざまなデータをもとに中小企業経営者が抱える問題と事業承継のリアルな実態を探り、全国の社長さんの「人生100年時代」について考えてみたいと思います。
『社長さん白書2018』は、中小企業経営者を対象としたアクサ生命の独自調査で、2018年は4月〜6月に全国47都道府県、総計6,685名を対象に調査しました。
グラフ1:中小企業・小規模事業者の事業者数の推移
中小企業庁では、日本の中小企業や小規模事業者の統計を発表していますが、これによると日本の事業者数が、年々急速に減っている衝撃の実態が浮かび上がりました。
まず、中小企業・小規模事業者に分類される、企業や個人事業主は2009年に約420万者だったのが2014年までの5年間で約40万者減の約380万者に減少しています。つまり、これと同数の経営者が倒産や事業の撤退、廃業となってしまっており、現在ではその数はさらに増えていると推測されます。
ここで考えなくてはならないのが、日本の多くの中小企業が抱える「事業承継」の問題です。
グラフ2:事業承継が決まっている中小企業の事業者数
実際のところ、中小企業の事業承継は円滑に進んでいるとは言い難い状況で、グラフ2に示した通り、「事業承継が決まっている」のは全体のわずか12.4%、約47万者しかありません。残りの約330万者は「未定」「時期尚早」または「廃業予定」と答えているのです。さらに廃業予定の企業のうち、約3割にあたる28.6%が「後継者が見つからないこと」を理由に挙げ、社長さんの事業を継ぐ「後継者不足」という問題が数字として顕著に表れています。
グラフ3:中小企業の経営者年齢の分布と変化
さらに、事業承継を進める上で、もう一つの大きな課題となっているのが「経営者の高齢化」です。
グラフ3を見てみると、1995年の経営者年齢の山(中央値)は47歳だったのが、20年後の2015年には66歳と高齢化しています。現在ではこれがさらに進み、経営者年齢のピークは70歳前後まで上がっていることが予想されます。
図1:中小企業の経営者の2025年における年齢
経営者年齢の高齢化がこのまま進んでいくと、2025年には、中小企業全体の約2/3にあたる245万人が70歳以上となることが予想されています。後継者が見つからないまま、事業者の半分が廃業することになれば、日本の企業全体の1/3がなくなるという事態を招くことになるかもしれません。
だからこそ、持続可能な日本の成長を支えていく産業基盤たる中小企業の存続と事業承継は、日本の将来を考える上で非常に重要な問題であるといえます。
グラフ4:事業承継の決定状況と予定している承継方法
全国の社長さんたちが選ぶべき事業承継の方法とシナリオは、後継者がいるケースといないケースの2つに分かれます。
アクサ生命『社長さん白書2018』の調査(グラフ4)によれば、「事業承継を決めている」と回答した人は51%。先に紹介した「事業承継が決まっている中小企業の事業者数」のデータとほぼ同じ結果となりました。
このうち、承継方法として最も回答が多かったのが「親族への事業承継」(34%)、次いで「親族以外への事業承継」(11%)。この「親族以外」には長年勤務する役員や社員が含まれており、どちらも「後継者がいる」ケースとなります。
一方、後継者がいないケースでの有効な対策の一つとして「事業のM&A(譲渡、売却、統合)」が挙げられます。「M&Aによる事業売却」「その他」と回答した人は少数ではありますが、これからの事業承継において重要な施策となるでしょう。
グラフ5:事業承継にかかった時間
後継者がいるケースでは一見問題はなさそうに思えますが、実は事業承継のプロセスにおいて、後継者の選定からその了承を得るまでにはかなり時間がかかります。
グラフ5をみると、事業承継に「3年超(かかった)」と回答した人が4割近くおり、中には10年かけて行っている企業もあります。このように事業承継の決定までに時間がかかることを考えると、70歳以上の高齢の経営者が元気なうちに引き継ぎを終えるために「世代交代(承継)への速やかな着手」も大きなポイントといえます。健康上の不安があれば、なおのこと急がなくてはなりません。
グラフ6:事業のM&A(譲渡・売却・統合)で重視すること
「後継者はいないが、会社と事業は何とか継続させたい」というケースでは、事業の譲渡・売却・統合を行う「M&A」を進めることになります。
M&Aを進める経営者の思いを表したのが、グラフ6の中小企業庁が行った事業所規模別のアンケート結果。「事業のM&Aにおいて重視すること」という質問に対して、事業所の規模に関係なく「従業員の雇用の維持・確保」「会社や事業の更なる発展」を選ぶ企業の割合は高くなっています。
事業承継としてのM&Aでは、これらの目的が達成できるかを慎重に検討する必要があるでしょう。
日本の中小企業を取り巻く事業承継事情、いかがでしたか。
先進国の中でも類を見ないほどのスピードで少子高齢化が進む日本では、中小企業のビジネス環境も大きく変わり、経営者である社長さんたちが考えなくてはならない問題も山積しています。
アクサ生命はより良い経営を目指す中小企業のパートナーとして、様々なサポートを続けています。経営者の課題は言うまでもなく、事業承継に留まりません。就業不能に対する不安、ご自身の退職後の人生など、同様の悩みを抱える社長さんは、一体どのように考えているのか。全国47都道府県の経営者が抱く様々な課題感に関し、より広い視点で集約した独自レポート『社長さん白書2018』で知ってみませんか?
『社長さん白書2018』に基づいた、中小企業経営者が抱く「老後の生活」の不安に関する記事も是非ご覧ください。
アクサ生命による『社長さん白書』は、2004年より全国の中小企業経営者の皆さまに対面で実施している意識調査で、2018年で7回目を数えます。
今回は、「経営者の未来づくり」をテーマとし、「経営資源」、「事業承継」、「就業不能リスク」、「ご自身の未来づくり」、「健康経営」(※)について質問。調査結果からは、8割の経営者が、「ヒト」(人材)を経営資源として最も重視していることや、「健康経営」に対する認知度が高まっているものの、実際に「健康経営」に取り組んでいる経営者は1割にとどまることが明らかとなりました。あわせて、事業承継の現状や課題、就業不能が経営に与える影響といった問題も浮き彫りとなっています。
※「健康経営」は特定非営利法人 健康経営研究会の登録商標です。
企業のライフステージに応じた様々な課題にお応えし、「100年企業」を目指すためのサポートをいたします。アクサ生命の『社長さん白書』にご興味をお持ちの方は、公式サイトよりお問い合わせください。
アクサ生命の商品・サービスについてはこちらの公式サイトからご覧ください。
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