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​医療保険とは?
公的・民間医療保険の種類と概要を分かりやすく解説

​公開日:2024/06/19

​医療保険は、国が提供する公的医療保険と民間の保険会社が提供する民間の医療保険の2種類にわかれます。民間の医療保険は公的医療保険では受けられない保障を補うものであり、医療保険を検討する際は、まず公的医療保険のしくみを知っておくことが大切です。

ここでは両者の概要やしくみについて分かりやすく解説します。民間の医療保険を検討している人は確認していきましょう。

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​医療保険とは

​医療保険とは、病気やケガによる入院や手術、通院などによる医療費負担を軽減する仕組みです。医療保険には、医療費の自己負担を1​~3割にする公的医療保険制度と、民間の医療保険の2種類があります。

日本の公的医療保険は国民皆保険制度といわれ、国民全員が必ず加入しています。一方で、民間の医療保険への加入は任意です。


​日本の公的医療保険制度の概要

​日本の公的医療保険制度は、年齢や所得に応じて医療費の自己負担額が軽減されるほか、自己負担の金額が高額になった場合、自己負担限度額を超えた医療費が返還される制度です。

病気やケガのときだけでなく、出産時には出産育児一時金、死亡時には葬祭を行った人には葬祭費が支給されます。民間の医療保険について知る前に、公的医療保険制度の特徴やしくみを確認しておきましょう。

​公的医療保険制度の特徴としくみ

​日本の公的医療保険制度の特徴には下記が挙げられます。

  • ​国民全員を保障している

  • ​医療機関を自由に選べる

  • ​安い医療費で高度な医療が受けられる

  • ​保険料や患者の負担だけでなく公費も投入している

​厚生労働省の「我が国の医療保険について」のデータによると、公的医療保険制度は年間40兆円を超える医療費によって維持されており、このうち約50%は国民から支払われた保険料、約40%は公費、約10%は患者の自己負担によって賄われています。

国民から徴収した保険料や税金を医療費に充てることで、患者の負担をできる限り抑えるしくみとなっています。

参考:厚生労働省「我が国の医療保険について」

​公的医療保険の医療費の自己負担割合

​医療費の自己負担割合は、6歳(小学校入学前)までは2割、6歳~70歳未満は3割です。70歳以上は、年齢や所得に応じて下記の3種類にわかれています。

  • ​現役並み所得者:3割

  • ​70歳~74歳までの人/75歳以上で所得が一定以上の人:2割

  • ​75歳以上で一定以上の所得がない人:1割

​図表1「各年齢ごとの自己負担割合」

​画像の出典:厚生労働省「我が国の医療保険について」

なお、1〜3割負担でも医療費が高額になった場合は、高額療養費制度によって、自己負担限度額を超えた医療費が返還されます。事前に限度額適用認定証を申請すれば、窓口で支払う医療費が自己負担限度額までとなります。


​公的医療保険制度の種類

​公的医療保険制度は、大きくわけると以下の3種類です。

  • ​国民健康保険

  • ​被用者保険

  • ​後期高齢者医療制度

​それぞれ詳しく見ていきましょう。

​国民健康保険

​国民健康保険は、被用者保険や後期高齢者医療制度に加入しない人を対象とした保険です。自営業者や無職の人、年金生活者、学生などが加入します。

住民票のある自治体の国民健康保険(市町村国保)に加入するのが一般的ですが、自営業者は業種ごとに組織される国民健康保険組合に入ることもできます。

国民健康保険は被用者保険と異なり、病気やケガで仕事を休んだ際の傷病手当金は支給されません。また、出産前後に仕事を休んだときの出産手当金も、国民健康保険では原則支給されません。

参考:厚生労働省「国民健康保険制度」

​被用者保険

​被用者保険は会社員や公務員、船員が加入する公的医療保険の総称で、健康保険組合・協会けんぽ・共済組合の4つにわかれています。それぞれ加入者が異なります。

<各被用者保険の概要>

​項目

​主な加入者

​保険料の負担

​健康保険組合

​大企業の会社員

​組合により異なる

​協会けんぽ

​中小企業の会社員

​事業主と折半

​共済組合

​公務員(私立学校職員含む)

​事業主と折半

​船員保険

​船舶で働いている人々

​船舶所有者と折半 

​保険料の負担は、協会けんぽと共済組合は事業主との折半です。健康保険組合の場合、折半での負担の組合と事業主負担のほうが多い組合にわかれます。傷病手当金や出産手当金が支給される点は、どの被用者保険でも変わりません。

​後期高齢者医療制度

​後期高齢者医療制度とは、75歳以上の人が加入する保険です。65歳​~74歳の人も、一定の障害があると認定を受けた場合は加入できます。各都道府県ごとに後期高齢者広域連合があり、転入・転出などは各市町村の後期高齢者医療担当窓口で手続きをします。

2022年9月末までは現役並み所得者を除いて1割負担でしたが、2022年10月1日からは年金を含めた所得が一定以上の人は2割負担に引き上げられました。下記が例になります。

  • ​75歳以上が1人の世帯:年金を含めた所得が200万円以上

  • ​75歳以上が2人以上の世帯:年金を含めた所得が320万円以上

​なお、2025年9月末までは、負担増加額を月3,000円までに抑える経過措置があります(入院の医療費は除く)。

参考:政府広報オンライン「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」
参考:厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)」


​民間医療保険とは

​民間の医療保険とは、保険会社が販売している保険のうち、病気やケガが原因で入院や手術をした際に保障が受けられる保険です。

医療保険は、各保険会社やプランによって保障内容や保険期間、支払方法が異なります。

​民間医療保険の概要と種類

​民間の医療保険には、一般的な医療保険をはじめ、女性向けの医療保険なども存在します。入院時は一時金のほか入院日数に応じた給付金、公的医療保険が適用されない先進医療を受けた場合の給付金などが保障されるものもあります。

​保険の種類

​保障内容

​保険期間

​支払方法

​医療保険

​入院給付金/一時金
手術給付金
放射線治療給付金
先進医療給付金/一時金
通院支援一時金

​終身
定期

​終身払い(全期払い)
短期払い(有期払い)

​女性向け医療保険 

​入院一時金/給付金
女性疾病入院/手術給付金
放射線治療給付金
​通院支援一時金
先進医療給付金/一時金

​終身
定期

​終身払い(全期払い)
短期払い(有期払い) 

​※各保険会社のプランによって異なる場合があります

​民間医療保険への加入は必要?

​民間の医療保険への加入が必要かどうかは、急な医療費の支払いにどれだけ預貯金で備えられるかで異なります。公的医療保険には医療費の負担軽減や高額療養費制度がありますが、入院時の差額ベッド代や食事代の一部、緊急時を除いた通院交通費は自己負担です。

公的医療保険が適用されない出費に預貯金だけで備えられない場合は、民間の医療保険への加入を検討しましょう。


​医療保険への加入は目的にあわせた検討が大切

​医療保険には公的医療保険と民間の医療保険があります。民間の医療保険は、公的医療保険制度では保障されない医療費を補う保険商品です。

保障が手厚くなるほど保険料も高くなるため、公的医療保険の保障内容を理解したうえで加入を検討しましょう。

​アクサ生命ではさまざまなニーズに合った医療保険を取り扱っています

​アクサ生命では、一生涯の医療保険やがん保険だけでなく女性向けの保険や認知症に備えた保険など、さまざまなリスクに備えた商品を揃えています。

医療保険の加入や見直しを検討している人はぜひ下記ページをご確認ください。
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■記事の監修者


名前:石野恆正(いしのつねまさ)
保有資格:トータル・ライフ・コンサルタント


​生命保険会社の営業として、多くの家庭のライフプランの作成や保険の見直しサポート、新規提案などを経験。現在は独立し、生命保険、医療保険、社会保障制度を始めとする豊富な知識に加え、自身の資産運用の経験を活かしながら、金融関連記事の執筆や監修などを行っている。

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