死亡保険の保険料は月額いくらがいい?
3,000万円の保障額の場合も解説
3,000万円の保障額の場合も解説
公開日:2024/05/23
生命保険への加入を検討している方の中には、死亡保険金の額をいくらにすれば良いのか悩んでいる方もいるでしょう。
生命保険の適切な死亡保険金額は、年齢や世帯状況、ライフスタイルにより異なります。そのため、各世帯でどのくらいの金額が必要になるのかを具体的に見積もることがポイントです。
この記事では、死亡保険金額の平均額をさまざまな切り口から確認するとともに、金額の設定の仕方などについて解説します。
死後にかかる費用
死亡保険金をいくらにするかは、死亡後にどういった費用がいくらくらいかかるのかを考える必要があります。主な費用として、葬儀費用と遺族の生活費が挙げられます。具体的な内容を確認していきましょう。
葬儀費用
鎌倉新書が行った「第4回お葬式に関する全国調査(2020年)」によると、葬儀に必要な費用はすべて含めると200万円ほどとされています。内訳は以下の通りです。
葬儀にかかる費用:約119万円
葬儀時の飲食代:平均31万円
葬儀の返礼品:平均34万円
お寺や神社、教会等へのお布施:平均24万円
葬儀代は参列者の人数や葬儀スタイルなどによっても異なりますが、おおよその目安として参考になるでしょう。
参考:株式会社鎌倉新書「第4回お葬式に関する全国調査(2020年)」
遺族の生活費
亡くなったのが家族の生活を支える立場にある方だった場合、遺された家族の生活費も考えておかなくてはなりません。給料が得られなければその月からの生活費が足りなくなる可能性があるため、毎月の生活費がどのくらいかかるのかを把握し、保険金額に盛り込んでおきましょう。
また、子育て世帯ではこれからの学費についても確保しておく必要があります。
死亡保険金額の目安
死亡保険金額はいくらに設定すれば良いでしょうか。生命保険文化センターは「生命保険に関する全国実態調査」の中で、死亡保険金額についての調査も行っています。2021年度の調査結果をもとに、年齢別と世帯構成別の死亡保険金額を解説していきます。
この章の参考:生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」
年齢別の平均死亡保険金額
死亡保険金額の全年齢の平均は約2,000万円です
5歳刻みの年齢ごとの平均死亡保険金額を以下にまとめました。
年齢 | 平均死亡保険金額 |
29歳以下 | 1,754万円 |
30~34歳 | 2,516万円 |
35~39歳 | 2,525万円 |
40~44歳 | 2,714万円 |
45~49歳 | 2,980万円 |
50~54歳 | 2,296万円 |
55~59歳 | 2,312万円 |
60~64歳 | 2,033万円 |
65~69歳 | 1,478万円 |
70~74歳 | 1,460万円 |
75~79歳 | 1,058万円 |
80~84歳 | 876万円 |
85~89歳 | 1,104万円 |
90歳以上 | 684万円 |
平均死亡保険金額が最も高額なのは、「45歳~49歳」で2,980万円です。「40歳~44歳」も2,714万円で2番目に高額になっています。死亡保険金額のピークは40歳代であることがわかります。
世帯構成別の死亡保険金額
世帯構成別の死亡保険金額を比べると、最も高額なのは中学生以下の小さな子どものいる世帯です。世帯主が約2,000万円、配偶者が約900万円で合計約3,000万円になっています。
しかし、子どもが高校生以上になると2,300万円程になり、学校を卒業する頃には2,000万円弱にまで減少しています。
また、夫婦のみの世帯の平均死亡保険金額は2,000万円以下であり、60歳以上の夫婦ではさらに金額が低くなる傾向があります。
月額の保険料をシミュレーション|死亡保険金が3,000万円の場合
死亡保険金が3,000万円の生命 保険に加入する場合、定期保険か終身保険かによって保険料は異なります。それぞれの特徴を簡単にまとめたものは以下の通りです。
項目 | 特徴 |
定期保険 | ● あらかじめ保障期間が決まっている |
終身保険 | ● 一生涯の保障が得られる |
では、30歳男性が3,000万円の死亡保険金額のある定期保険と終身保険に加入した場合の、それぞれの保険料を比較してみましょう。
55歳満了の定期保険 に加入した場合、保険料は月額4,000円~5,000円程度です。 一方、終身保険に加入した場合の保険料は、月額4万円~4万5,000円程度です。保険料は10倍近く差がつく可能性があります。
※掲載の保険料はあくまで目安の金額です。実際の保険料は各保険会社の公式サイトをご確認ください。
【ライフスタイル別】必要な死亡保険金額はいくら?
必要な死亡保険金額は、家族構成や今後のライフイベントによっても異なります。単身者や子どものいる世帯/いない世帯、定年後の世帯など、世帯スタイル別に確認していきましょう。
単身世帯の場合
単身世帯の場合は、扶養している家族がいないため、高額な死亡保険金を準備しておく必要性はあまり高くないでしょう。
しかし、自分の葬儀費用や亡くなった後の身辺整理などのための費用を用意しておきたいと考える方もいます。その際は、部屋の引き払いや清掃費用も考慮しておくことをおすすめします。
単身世帯で葬儀代や一般的な身辺整理が主な目的の死亡保険金額は、100万円~300万円ほどで検討してみると良いでしょう。
子どものいない夫婦
子どもがいない夫婦の場合は、ご自身の葬儀代のほかに遺された配偶者の状況や預貯金等の準備済み資金の額によって、死亡保険金でいくら準備すべきかが異なります。
ご家庭で、生活に必要な費用を計算して、亡くなったことにより不足する金額を元に、死亡保険金額を決めましょう。特に、配偶者が専業主婦(主夫)でその後の生活資金の準備ができていない場合は、多めに見積もると良いでしょう。
なお、生計を支えている方が亡くなった場合、「遺族年金」が受給できる公的制度があります。遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」がありますが、遺族基礎年金は子どものいない場合は受給できません。
遺族厚生年金は子どもがいなくても受給できますが、会社員・公務員などしか遺族厚生年金の対象にならないといった条件があるため、詳細を確認しておくと良いでしょう。
子どものいる夫婦の場合
子どもがいる世帯は、子どもがいない世帯の死亡保険金額と比べて、金額が高くなる傾向にあります。子どもの人数や年齢、進学先によっても必要な資金が異なります。
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、子ども1人が幼稚園から高校まですべて公立に通う場合にかかる学費は、約580万円です。一方、すべて私立に通う場合は約1,840万円もの費用がかかります。
進学先 | 平均的な学費 | |
公立 | 私立 | |
幼稚園(※) | 495,378円 | 926,727円 |
小学校 | 2,115,396円 | 10,001,694円 |
中学校 | 1,616,397円 | 4,309,059円 |
高校 | 1,538,913円 | 3,163,332円 |
合計 | 5,766,084円 | 18,400,812円 |
※3 年通園した場合
参考:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
さらに大学に進学するとなると、公立・私立それぞれ以下の金額が平均的に必要になります。
項目 | 公立 | 私立 |
入学金・学費4年分 | 2,425,200円 | 3,969,723円 |
参考:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」
私立大学の場合は学部・学科によって学費が異なるため、あくまでも目安として参考にしてください。
幼稚園から大学まですべて公立に通った場合、平均800万円以上の学費がかかります。一方、すべて私立に通った場合、平均2,200万円がかかる見込みです。
子どもが将来どのような進路を希望するかを想定し、末子が独立するまでに必要な費用の見積もりをしておきましょう。
定年後の高齢夫婦の場合
定年後の高齢夫婦は、子どもがいる場合でもすでに独立しているケースもあり、夫婦だけで老後を過ごす世帯も多いです。
子どもが独立したときは、保障の見直しをする良いタイミングです。これまでは、自分に万が一のことがあった場合に、子どもが独立するまでに必要な保障を備える必要がありました。しかしこれからは、夫婦の医療や介護、葬儀費用などに重点をおいた保障が必要になります。
退職金や貯蓄、公的年金受給額などを考慮したうえで、万が一のときに必要な金額を算出しましょう。
死亡保険の金額は家族構成やライフステージで判断しよう
生命保険の死亡保険金額は、自分が亡くなった後にかかる費用や遺族の生活費を元に計算します。全年代の平均死亡保険金額は約2,000万円で、40歳代は3,000万円に近い世帯が多いです。
死亡保険金額は世帯構成やライフスタイルによっても異なるため、ご自身の世帯状況に合わせた保障を検討しましょう。
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■記事の監修者
名前:石野恆正(いしのつねまさ)
保有資格:トータル・ライフ・コンサルタント
生命保険会社の営業として、多くの家庭のライフプランの作成や保険の見直しサポート、新規提案などを経験。現在は独立し、生命保険、医療保険、社会保障制度を始めとする豊富な知識に加え、自身の資産運用の経験を活かしながら、金融関連記事の執筆や監修などを行っている。
AXA-A2-2404-0143/9LJ
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