死亡保険金にかかる税金とは?
1,000万円受け取った場合のシミュレーションも
1,000万円受け取った場合のシミュレーションも
公開日:2024/05/23


死亡保険とは、加入者である被保険者が何らかの理由で死亡したときに、遺された家族に対して保険金が支払われる保険です。入院給付金などとは違い、保険金を受け取る際に税金がかかります。
契約者や実質的な保険料の負担者、被保険者、保険金の受取人が誰であるかによってかかる税金が異なり、税金の種類によっては非課税になる場合もあれば、高額な税負担を求められる場合もあります。
生命保険に加入する場合は、税負担をできる限り抑えるためにも、死亡保険金にかかる税金を知っておいた方がいいでしょう。
ここでは、死亡保険金にかかる税金について解説します。1,000万円受け取った場合のシミュレーションもするので、生命保険の 契約を検討している人は、契約前に確認しておきましょう。
※この記事は2024年4月の税法に基づいて作成されています。
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生命保険の保険金に税金がかかるしくみ
生命保険の保険金は、被保険者・保険料の負担者・保険金受取人の関係によってかかる税金が異なります。課税対象の保険金・給付金は下表のとおりです。
種類 | かかる税金 | 備考 |
死亡保険金 | 所得税・相続税・贈与税 | 保険料の負担者や受取人 |
満期保険金 | 所得税・贈与税 | 保険料の負担者と受取人 |
個人年金 | 所得税・相続税・贈与税 | 年金受取人が死亡した場合は |
解約返戻金 | 所得税・贈与税(注1) | 支払保険料の総額と特別控除額(最高50万円) の合計額を下回る場合は所 得税は課税されない |
祝金 | 所得税 | 支払保険料の総額と特別控除額(最高50万円)の合計額を下回る場合は課税されない |
※住民税は省略
※(注1)契約者と保険料負担者が異なるかつ、解約返戻金が贈与税の基礎控除を超える場合、贈与税の課税対象となる
参考:国税庁「No.1750 死亡保険金を受け取ったとき」
参考:国税庁「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金などを受け取ったとき」
参考:国税庁「No.1615 遺族の方が支払を受ける個人年金」
参考:国税庁「No.1903 給与所得者に生命保険の満期返戻金などの一時所得があった場合」
生命保険の死亡保険金にかかる3つの税金|所得税・相続税・贈与税
生命保険の死亡保険金にかかる税金は、所得税・相続税・贈与税の3種類があります。被保険者、保険料の負担者(契約者)、保険金受取人が誰かによってかかる税金が異なります。
被保険者 | 保険料の負担者 | 保険金受取人 | かかる税金 |
A | B | B | 所得税 |
A | A | B | 相続税 |
A | B | C | 贈与税 |
※住民税は省略
参考:国税庁「No.1750 死亡保険金を受け取ったとき」
それぞれの税金につい て詳しく見ていきましょう。
所得税
保険料の負担者と保険金受取人が同じ場合は、所得税の課税対象になります。死亡保険金は、一時金として受け取る場合は一時所得、年金として受け取る場合は雑所得が課税されます。ただし、死亡保険金より払込保険料の方が多い場合は課税されません。
相続税
被保険者と保険料の負担者が同じ場合は、相続税の課税対象になります。保険金受取人が被保険者の相続人であれば、500万円×法定相続人までの死亡保険金が非課税です。
年金として受け取ることもできますが、その場合には、その年金を受け取る権利に対して相続税が課税されます。なお、毎年支払を受ける年金(公的年金等以外の年金)に係る所得税については、年金の収入金額を非課税部分と課税部分(年金受給権に相当する部分とそれ以外の部分)に振り分けた上で計算します。相続税が非課税でも所得税が発生する場合があります。
贈与税
被保険者、保険料の負担者、保険金受取人のすべてが異なる場合は、贈与税の課税対象になります。贈与税は1年当たり110万円の基礎控除を受けられるため、死亡保険金が110万円以下なら非課税です。
贈与税の税率は相続税や所得税と比べて高いため、税負担を軽減したい場合は避けた方がいいでしょう。
死亡保険金にかかる税金をシミュレーション|200万円/500万円/1,000万円


死亡保険金にかかる税金について、200万円、500万 円、1,000万円の3パターンにわけてシミュレーションします。どれくらいの税金がかかるのか知りたい人は、確認していきましょう。
なお、相続税と贈与税のシミュレーションでは一時金として受け取る場合を前提とします。
所得税の場合
所得税の場合は、払込保険料の総額がいくらであるかによってかかる税金も変わります。
<一時金として受け取る場合>
死亡保険金 | 200万円 | 500万円 | 1,000万円 |
払込保険料 | 100万円 | 250万円 | 500万円 |
所得税額 | 1万2,762円 | 5万1,050円 | 13万0,178円 |
※カッコ内は所得税率、税率については給与所得など他の所得は考慮しない
死亡保険金を一時金として受け取る場合は一時所得です。死亡保険金から払込保険料の総額と特別控除額(最高50万円)を引いて2分の1をかけると、課税所得が計算できます。
ただし、一時所得による課税金額はその他の所得と合算して求めるため、上記の課税金額と異なる可能性がある点に注意が必要です。
年金として受け取る場合、年金の年額からそれに対応する保険料または掛金の額を控除した残額が25万円未満の場合には、源泉徴収されません。課税所得が少ない人は、確定申 告をすると源泉徴収された所得税の一部を還付金として取り戻すことが可能です。
死亡保険金を10年間、年金形式で受け取る場合のシミュレーションは下記です。
<年金として受け取る場合>
死亡保険金 | 200万円 | 500万円 | 1,000万円 |
総額の払込保険料 | 100万円 | 250万円 | 500万円 |
1年間の払込保険料 | 10万円 | 25万円 | 50万円 |
年金の年額 | 20万円 | 50万円 | 100万円 |
1年間の所得税額 | 0円 | 25,525円 | 51,050円 |
※カッコ内は所得税率、他の雑所得は考慮しない
参考:国税庁「No.1490 一時所得 」
参考:国税庁「No.1610 保険契約者(保険料の負担者)である本人が支払を受ける個人年金」
相続税の場合
相続税の場合は、法定相続人が何人いるかによって非課税額が異なります。夫・妻・子ども一人の三人家族で被保険者が夫、保険料負担者も夫の場合、法定相続人が二人になるため、1,000万円までの死亡保険金は非課税になるため税金がかかりません。
法定相続人が一人の場合でも3,600万円の基礎控除があるので、まとまった遺産がある人を除いて相続税はかからないでしょう。
贈与税の場合
贈与税の場合は、基礎控除額110万円を差し引いた額に税率をかけて計算します。
死亡保険金 | 200万円 | 500万円 | 1,000万円 |
贈与税額 | 9万円 | 53万円 | 231万円 |
※一般贈与と仮定
参考:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」
死亡保険金の税金は申告が必要
死亡保険金に税金が発生する場合は、税務署への申告が必要です。所得税・相続税・贈与税のいずれかによって、申告期限が異なります。
所得税:2月16日~3月15日
相続税:死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内
贈与税:2月1日~3月15日
所得税や贈与税は、ある年の1月~12月に発生したものを翌年3月15日までに申告します。相続税は死亡を知った日の翌日から起算して10ヶ月以内と決まっているため、所得税や贈与税の申告時期と間違えないようにしましょう。
参考:国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
参考:国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」
参考:国税庁「【贈与税の申告等】」
生命保険に加入する際は死亡保険金の税金を確認
生命保険に加入する際は、もしもの場合に備えて死亡保険金の税金がどうなるのかは確認しておきましょう。
被保険者、保険料の負担者、保険金受取人のすべてが異なる生命保険を契約する場合は贈与税が適用され、所得税や相続税と比べて税金が高くなります。
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■記事の監修者


名前:石野恆正(いしのつねまさ)
保有資格:トータル・ライフ・コンサルタント
生命保険会社の営業として、多くの家庭のライフプランの作成や保険の見直しサポート、新規提案 などを経験。現在は独立し、生命保険、医療保険、社会保障制度を始めとする豊富な知識に加え、自身の資産運用の経験を活かしながら、金融関連記事の執筆や監修などを行っている。


名前:安田亮(やすだりょう)
保有資格:税理士・公認会計士・CFP(R)・1級FP技能士
京都大学3回生在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人で約4年間、東証一部上場企業で6年間勤務し、その後2018年9月に神戸市中央区で独立開業。1級FP技能士とCFP(R)の資格も保有しており、個人のお金・家計・相続や贈与等の分野についても強みを持つ。お客様に対してより具体的なアドバイスを行なうために、自らも家計管理・株式投資・節税など日々実践している。
AXA-A2-2405-0201/9LJ
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